2016/10/31
ニュープロダクツ
「カテゴリー毎に要約」のボタンを押した場合
図7は、最初に熊本県を指定して、熊本地震本震発生直後12時間を時間帯として設定し、「カテゴリー毎に要約」した場合の要約の表示だ。「エリア毎に要約」ボタンを押した場合には、画面左側には自治体の名前が並んだが、「カテゴリー毎に要約」した場合には、被災報告のカテゴリー(「災害」「トラブル」「怪我」「救助」等)が並ぶ。例えば、「救助」の項を見ると、「救助・救出ください」という項目が表示されていて、その横にそのタイプの被災報告が発信されているエリアが「熊本市(49)」「南阿蘇村(9)」「阿蘇市(7)」「益城町(6)」のように、該当する被災報告の数が多い順にリストアップされる。
「エリア毎に要約」の場合と同様に、要約の中の各項目をクリックすると、元のツイートやDISAANAへの質問等が表示される。図7では、実際に南阿蘇村で緊急の救助を求めているツイートを表示している例を示しているが、このような重要な情報をD-SUMMでは数クリックで表示することができる。通常の検索エンジンで、「救助」等のキーワードを入れても、大量の有用でないツイートが表示される。その中からこうした有用なツイートを発見するには、大量のツイートを読む必要があり、短時間での作業は非常に難しくなるが、D-SUMMでは、必要な情報に短時間でアクセスすることが可能になる。
「地図表示」のボタンを押した場合
図8は、「地図表示」ボタンを押した際の要約の例を示している。地図表示ボタンを押すと、これまで操作していた画面では、カテゴリー毎の要約が表示され、さらに、新たにタブが開かれて、そこに地図を表示する画面が表示される。新規タブはポップアップとして扱われることが多く、またポップアップが制限されていることも多いので、地図表示を実行するためにポップアップを許可すること。この例の対象ツイートは、これまでと同様、熊本地震の本震から12時間分、つまり、4月16日1:30から13:30までに発信されたもの。画面左側には、被災報告のカテゴリー(「災害」、「トラブル」、「怪我」、「救助」等)がリストアップされている。各々のカテゴリーには、チェックボックス(白い四角)が左横に付いているが、それをクリックすると、該当するツイートに関係しているエリア毎に、地図上にツイート件数の大小を表すグラフと、ツイートの件数そのものが表示される。チェックボックスをもう一度クリックすると、地図上の表示は消える。グラフは、カテゴリー毎に色分けされて表示される。どのカテゴリーにどの色が割りられるかはチェックボックスをクリックした順序で決まる。例えば、図8では、画面左上に表示されているように、「災害:火災」に赤色、「救助」にオレンジ、「道路(の被害)」に黄色、「建物(の被害)」に緑色が割り当てられており、例えば、南阿蘇村周辺では救助要請(オレンジ)が出ているものの、道路の被害(黄色)や建物、インフラの被害(緑色)も出ているため、救援活動を行うには通行可能な道路を確認するなど、入念な準備が必要なことがわかる。また、広い範囲で建物の被害が報告されているが、火災の報告は一部地域に集中していることも分かる。また、図8は、地図中のグラフの一つをクリックした直後の画像であり、吹き出しで、グラフでカウントされているカテゴリーが表示されている。それらのカテゴリーをクリックすると、被災報告の抽出元のツイートが表示される。
地図表示ボタンを押した直後は、「災害」というカテゴリーのチェックボックスがクリックされた状態で地図が表示され、地震、水害等の自然災害そのものに関する報告の件数等が赤いグラフで表示される(図3右下参照)。上で説明した例を表示するためには、まず、「災害」というカテゴリーのチェックボックスをクリックして一旦表示を消し、上で述べたカテゴリーのチェックボックスを一つずつクリックする必要がある。
各カテゴリーには+の記号がチェックボックスの横にある(図8左側参照)。これをクリックすると、カテゴリーの更に詳細な分類がリスト中に表示される。例えば、「災害」の横の記号をクリックすると、「災害」カテゴリー内の更に詳細な分類(例えば、「地震」「津波・高潮」「氾濫・決壊」「土砂災害」「火災」)等がリストアップされる。図8では、「災害:火災」を赤色で地図中に表示したが、これは、「災害」カテゴリーの表示を一旦消去した後、その詳細な分類の一つである「火災」に関してチェックボックスをクリックして、地図中に表示している。また、+の記号をクリックすると、−の記号に変化します。この−の記号をクリックすると、表示された詳細な分類が閉じられ、元の表示に戻る。
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方