2.水害に対する事前準備のポイント
(1)情報収集と共有からスタートする
台風が接近すると、気象庁から事前に多くの気象情報が発表されます(表1)。

これらの気象情情報の内容とともに、近隣の河川の状態に応じて水害に対する事前準備を進めていくことが重要です。その一方で、台風に伴う雨や風の影響によって電柱や電線が損傷し、停電となることが考えられます。

停電という事態に陥っても、必要な情報が的確に入手できるよう、電池式や手回し充電式のラジオを準備しておきましょう。また、非常用自家発電装置を準備することによって、テレビなど他の手段でも情報を入手することが可能となります。

また、それらの気象情報や近隣河川の情報などは、特定の人が知っているだけでは意味がありません。まず誰が情報を集めるのか、そしてそれを社内でどのように共有するかなどの体制を構築しておくことも忘れてはなりません。

(2)水害対策は従業員一人一人のレベルでも重要
企業が水害ハザードマップを確認し、気象情報を入手・共有できる体制を整えていても、従業員が自宅で被災する可能性はあります。それぞれの従業員も自宅の弱点をハザードマップで確認し、その対策を進めておくことが大切です。また、休日など在宅時に台風が接近することも多くありますから、電池式や手回し充電式のラジオなどを各家庭でも備えておくことが必要です。

企業は、社内の防災教育を進めることで、従業員の防災意識を高めていくことが求められます。

次回も引き続き、水害に対する事前準備について説明します。

【ここがポイント】

水害は、その発生時期や被害に見舞われる範囲をある程度予測できます。それらの予測を踏まえた上で、水害に対する事前準備を進めましょう。

1.水害ハザードマップを確認して水害準備を進める
2.気象情報の入手と共有を忘れない
3.従業員の防災意識を高めることも重要

(了)