2017/01/30
未来のレジリエンス・テクノロジー
中小企業や地方をベースにする企業のBCP策定を後押し

昨年4月の熊本地震では企業が代替生産などを実施し、目標復旧時間内に事業を再開できたためにBCPを評価する報道もありました。しかし、これは主として大企業の傘下にある会社などに限られ、地場の企業で話を聞くとBCPを持っていない会社がまだまだ多くありました。今後も中小企業や地方をベースにする企業のBCP策定を後押していく予定です。
第1回のレジリエンス認証を取得した44団体の中には民間企業の他にも大学や病院、組合組織などもありました。現在、2回目の審査を実施中ですがその中には老人ホームも申請されています。このように一般的な企業だけでなく、各種団体にも非常時に事業を継続が必要な団体が多数あります。そうした団体にもBCPがどんどん広がって欲しいと考えております。
レジリエンス認証とは別に、内閣官房国土強靭化室でもBCP普及のためのモデル調査をやっています。中小企業のみなさんにBCPを作らない理由を聞くと「作成のノウハウがないから」という回答が一番多いようです。そこで、現在、日本各地で中小企業経営者などを対象に危機状況の擬似体験セミナーを実施しています。今後はモデル事業者を選び、BCPを策定して訓練を実施する予定です。
以上、国土強靱化の民間市場とレジリエンス認証について説明しました。いずれにしましても、国土強靭化の実現のためには、民間のみなさんの力が是非とも必要です。みなさんに関心を持っていただき、国土強靭化市場に積極的に参入し、できれば第3者認証である「レジリエンス認証」の取得もご検討いただけると幸いです。
(了)
未来のレジリエンス・テクノロジーの他の記事
おすすめ記事
-
もうAI脅威論を唱えている段階ではない
インターネット上の大量のデータを組み合わせて新しいデータを生成するAIが脚光を浴びています。一般企業においても経営改革の切り札としてAI技術への関心が急拡大。一方で未知なる脅威が指摘され、リスクや倫理の観点から使用を規制する動きも。AIの未来は明るいのか。東京大学次世代知能科学研究センターの松原仁教授に聞きました。
2023/05/28
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年5月23日配信アーカイブ】
【5月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:化学物質災害・事故対応に役立つ情報基盤サイト
2023/05/23
-
重要リスクの理解深めるファシリテーション
重電機メーカーの明電舎は2016 年度から、全社的リスクマネジメント活動を開始。3ラインモデルと呼ばれる機能分担手法とCSAと呼ばれるリスク分析・評価手法を用いて体制を整備し、一般社員や管理職のファシリテーションを充実して重要リスクの把握、共有に務めながら活動への理解を深めています。同社の取り組みを紹介します。
2023/05/18
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年5月16日配信アーカイブ】
【5月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:AIを使ったBCP教育・訓練
2023/05/16
-
ブランドを守る! 日本コカ・コーラのERM
「コカ・コーラ」を筆頭に、多くの製品ブランドで日本の飲料業界をリードする日本コカ・コーラ株式会社。同社では、アトランタにあるグローバル本社や国内に5社あるボトラー社とともにコカ・コーラシステムを構築し、全社的リスクマネジメントに取り組んでいます。その体制と仕組みを紹介します。
2023/05/14
-
ヒヤリ・ハット共有で成長を支えるリスクマネジメントオイシックス・ラ・大地
新鮮で安全な有機野菜や特別栽培野菜などの食品の宅配事業を展開するオイシックス・ラ・大地は、毎月開催しているリスク管理委員会で日々のヒヤリハットを共有し、再発防止に努めるとともに、インシデントなどへの早期対応ができる体制を目指し活動を続けています。同社執行役員の山下寛人さんにご発表いただきました。2023年5月9日開催。
2023/05/11
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方