2020/01/31
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
臭いが漏れにくい理由
では、なぜ、パン袋で臭いが漏れにくいかというと、パン袋は、ポリプロプレン(PP)でできています。ポリ袋というものには、ポリエチレンやポリプロピレンが含まれていて、パン袋はPPなのですね。PPだとなぜ臭いが漏れにくいかと言えば、理由はガスバリア性があるからです。
ガスバリア性はガス透過性の逆で、においをバリアするというイメージで理解してもらえたらと思います。そして酸素についての透過率は、HDPE(構造材料、エンジニアリングプラスチックなど)が2900、CPP(Cast Polypropylene DMの袋などに使われているもの)が3800です。これに比べて、普通のポリエチレン袋などは、7900です。PPは普通の袋に比べて半分以上臭いがもれにくいってことになります。
ただ、長岡技術科学大学大学院准教授の木村悟隆氏によると、このPPのガスバリア性は他の材質と比べてそれほどは高くないのだそうです。私の推測ですが、それでも一般のポリ袋に比べれば、ガスバリア性が高いものがパン袋という形で身近にあるものなので子育て世代でこんなに話題になっているのだと思います。
パン袋以外でも、ガスバリア性が高ければ、材質的に臭い対策に使えます。例えば、サランラップやクレラップといったようなポリ塩化ビニデリンが使えるとのことです。
サランはPVDCとPVCの共重合体でガスバリヤ性が高いので、いざって時は、それで汚物を巻いても・・。巻く時の事故を想像するとちょっと怖いですが、他の袋に入れた後に臭い対策で巻くのもありですかね。
その他にもカツオ節パック袋やマヨネーズチューブは、例えばエバールという素材を使うなどガスバリア性が高いです。もしも、炊き出しの食材で、捨てる予定の鰹節パックがあれば、汚物対策に使えそうです! でも、小分けパックは、トイレ用には、厳しそう・・・
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方