2020/02/04
本気で実践する災害食
防災力を生かす
さて、何度となく自然災害に苦しめられてきたわが国には、防災力を生かして、感染の最盛期を乗り切る秘策があります。1つは家庭内備蓄を生かすこと。これを可能にするには前提条件として、当然、家庭で食料の備蓄をしておかなければなりません。それらを使って弁当を作ります。原材料となるお米や、おかずを平時から備えておきましょう。油や調味料なども予備の貯えもお忘れなく。いつか書きましたが、基本は食べたら買い足す「ローリングストック」です。災害時のように電気、ガス、水道がいっせいにストップするわけではないので料理は十分にできます。
お子様がいる場合、学校は感染防止のために休校になることも考えられます。当然、食事は各自家庭でしなければなりません。事態が収束するまで、各家庭で食べ物を確保しておく必要があります。今のうちに多めに備蓄しておきましょう。
会社でも社員用の企業内備蓄は拡充しておいた方がいいです。なぜなら、突然、社内で感染者が出たら、同じ部屋にいる人全員を検査するようなことになりかねません。そうなれば、長期間にわたり家に帰れない状況も想定されます。
繰り返しになりますが、自然災害ではないので、熱湯を注ぐ、電子レンジ使用などは使用可能です。カップ麺、レスキューフーズ、アルファ化米、パンの缶詰やアルミ包装、魚や肉、野菜などの缶詰やレトルト食品などなるべく仕事部屋に近い部屋に準備するとよいでしょう。もちろん飲み物は最重要です。今こそ、日常的に備蓄を食べて足すローリングストック文化を身に付けるべきです。ただし、すべてをカップ麺にしてしまわないようにご注意を。基本は、主食、おかず(肉系・野菜系)、おやつ。災害時でも役立つように火を使わないで食べられるものもバランスよく備蓄しておきます。
特に、食べ物のうち、生鮮野菜、果物が不足しがち。微量栄養素としてビタミン類、ミネラル類、それに食物繊維などの摂取が重要です。栄養豊富なカロリーメイトなどは最適でしょう。
最後に忘れてはならないことが3つ。1つは個食のすすめ、おしゃべりはご法度。口を開けて面白おかしく食べないこと。黙って静かに食べます。自分が感染しているかもしれないと考え、感染させないよう気遣います。もう1つ、箸やスプーンなどの食器を共用しないこと。飲み会の席で、取り箸を使わず自家箸で料理をつっつくのはとても危険な行為です。コップも使い終えたら自分の身の周りに収めましょう。
最後に備蓄で役立つメニューを載せておきます。

(了)
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