(出典:National Volunteer Fire Council http://www.nvfc.org/)

アメリカで1998年に始まったジュニアファイアーファイタープログラムは、最低年齢制限はありませんが、体力的に平均14歳(州によっては16歳)から21歳まで。消防の基礎(消火・検索・救助・救急)を月2回ペースで体験学習できるカリキュラムです。

このプログラムがはじまってから、ボランティア消防士の平均年齢が65歳から40代まで下がりました。またジュニアファイアーファイタープログラムを卒業した地域の若者が増えたことで、災害対応など安全度が増し、心身を鍛え上げた健康でたくましいコミュニティーを築いています。


National Junior Fighfighter Program Recruitment Video(出典:Youtube)

ほとんどのジュニアファイアーファイタープログラム卒業者は地元のボランティア消防局の非常備消防隊員になるか、または近くの都市の常備消防隊員になることが多く、消防学校でも好成績で卒業しています。

このプログラムの立ち上げは、バスキンロビンズというアイスクリームの会社とダンキンドーナッツ、スパルタンモータースが協力して必要なリソースやコンテンツの組み立てに必要な初期費用を寄付し、ワイオミング州、ミッドランド州、ノースカロライナ州の消防局がハンドブックの執筆や写真の提供を行ったそうです。

(出典:National Volunteer Fire Council http://www.nvfc.org/)

ハンドブックの内容は基本的に情報のみの提供とし、具体的な内容は各州の法律に従って、ジュニアファイアーファイタープログラムを実施する各消防局が訓練内容や知識の調整を行うとされています。

下記のPDFにジュニアファイアーファイタープログラムについての詳細が記載されています。まず、最初に「よくある質問解答集」があり、さまざまな疑問を払拭し、必要な責任の所在や参加手順、参加条件、訓練や学習内容、共通認識事項(緊急出動する車両には乗車しない、消火・救急・救助活動は一切行わない)、損害賠償保険への加入条件などについて、1人の消防士に付き参加者6〜7名などの条件が決められています。

■ジュニアファイアーファイタープログラム
http://www.nvfc.org/wp-content/uploads/2016/08/juniorhandbook2ed.pdf

いかがでしたか?

ジュニアファイアーファイタープログラムは、常備消防の消防士達が消防学校で学ぶ災害現場に関する教養カリキュラムや出来る範囲内での資機材活用訓練など、様々な現場で対応できる訓練のコンセプトを教えたり、消防機材を使った体力訓練など、とても理に適った内容で行われています。

また、この内容は一般の方々でも学べる内容ですので、いつか翻訳して自衛消防隊員や企業防災関係者に伝えたいと思っています。

それでは、また。


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
代表理事 サニー カミヤ
http://irescue.jp

(了)