2. 避難を余儀なくされる場合の対応

自社の拠点が水害の被害に見舞われる可能性が高い場所に立地している場合は、台風の状況次第で避難せざるを得ないことがあります。例えば、降水量がハザードマップで想定されているより多く、結果として自社拠点の浸水被害が大きくなると予測される場合、安全な場所への避難を検討する必要があります。

平常時から、市町村が出す避難情報と国や都道府県が出す防災気象情報を、適時に入手できるように体制を構築しておきます。これらの避難情報[表1]をもとに、避難するべきタイミングを逃さないように速やかに避難します。高台にある避難所などに移動する水平避難が原則ですが、夜間で風雨が強く、避難に伴う危険が大きいと考えられる場合は、自社拠点の2階以上に垂直避難することも検討します。

これらの避難情報は、必ずしも「レベル1」から順番に発表されるとは限りません。また、過去の災害では、市町村からタイムリーな避難情報が発令されなかったケースもありました。自社の従業員の命を守る観点から、的確な指示と避難を行います。

写真を拡大 内閣府・防災情報のページを参考に筆者作成

3. 従業員の自宅での初動対応

水害の発生は、平日の勤務時間帯に限らず、休日や夜間など従業員の在宅時に起こることも多くあります。

水害に対する初動対応の原則は、職員が自宅にいる場合も同じです。自宅の建物に関するハード面の対策や適時の避難など、対応するべきことを防災教育の形で周知徹底しておくことも必要です。

【ここがポイント】

水害の初動対応は、災害時に発生する状況をあらかじめ想定して進めます。

1. 建物・設備の安全確保に必要な物資を欠かさず準備する
2. 従業員の出退勤は、安全配慮義務がポイント
3. 水害からの避難はタイミングを逃さない

【参考資料】
内閣府:防災情報に関するHP