マスクや消毒の不足、空間や風通しの問題も

さらに、
●マスク、アルコール消毒剤の不足
●密集、密接、密封の空間などの大きな課題
までも起こります。

避難所の条件としては、マスクが不可欠です。しかし、現在(2020年3月25日)、私の住む兵庫県芦屋市の駅前コープ薬局でも入手できません。従って使い終わったマスクを洗濯して再利用したり、手作りしたりして多くの人はしのいでいます。この現状ではトリプル災害を乗り切ることはできません。

手洗いはどうでしょうか。まず水がない。地震や津波では水道は停止します。井戸水は地下水の水位が変わり出ない、濁ったり不適当な物質が混入して使えない場合もあります(熊本地震)。特にトイレ後の手洗いも不十分です。

避難所の入り口にはアルコール消毒液も必要ですが、残念ながら入手できません(兵庫県芦屋市駅前コープ薬局2020年3月25日現在)。

体育館の風通しはどうですか。もし室内の空気が滞留する構造ならどうしようもありません。点検しておく必要があるでしょう。

人と人の距離は十分取れる状態でしょうか。これまでの被災地での経験からするとなかなかそうした距離を取る余裕はありません。津波や洪水の場合、1階の教室や体育館は利用できませんから、有効利用スペースがさらに狭くなります。満員電車のようなひしめき合う状態になるでしょう。

新型コロナウイルスと避難所生活は、共存できるほど甘くないことを肝に銘じておきたいものです。結論から言えば、相容れないと考えるべきです。

想定外という言葉がうまく当てはまる過酷な環境になります。早くこの問題を解消する必要があるでしょう。そのためには、個々に人々が賢明な努力を積み重ねる以外に方法は見当たりません。

最後に、災害の種類によって私たちに求められる対応はそれぞれ違いますが、マスクや消毒用アルコールなどはどの災害にも欠かせない基本的に重要なものです。普段からこまめに備蓄を心掛けておくことが大事です。自助は言うに及ばず、公助もさらに重要です。それにより、一層有効な共助が成り立つのではないかと痛感するこの頃です。