第16回:建物・設備などに関する被害の確認
被災直後の確認は目視が基本、その後は応急対応を行う
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2020/04/01
中小企業の防災 これだけはやっておこう
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
前回は、大きな地震に見舞われた際、どのように従業員の被害の確認、つまり安否確認を進めていくかについて説明しました。今回は、従業員と並んで企業にとって重要な経営資源である建物・設備などに関する被害の確認と、その後の対応について考えます。
大きな地震に見舞われたときに行う建物・設備の被害確認は、確認すべき内容と、その際に行う応急対応の手順を決めておくことが重要です。
(1)建物本体の被害確認
建物の被災状況は、総務部など後方支援を担当する部門が中心となって確認します。工場などの製造現場では、現場責任者と連携しつつ確認を進めることが重要です。
実際には倒壊していなくても、その後の余震に耐えられるかどうかの観点から、まず目視で確認することになります。建物の安全性が確保できず、使用することができないと判断される建物については、従業員の避難誘導を優先しつつ、立ち入り禁止にします。
また、その建物が立ち入り禁止であることを、自社の従業員や来訪者だけでなく、付近を通行する歩行者にも分かるように表示しておきましょう。
①壁や柱、そして天井
壁や柱にひび割れはないか、また天井に落下しそうな部分はないかなど、従業員に危険を及ぼす場所の有無を確認します。被害の程度によっては応急修理などの対応を行いますが、自社で行うことが危険と判断される場合は、専門の事業者に依頼することが大切です。
②扉や窓
ガラス製の扉やガラス窓が割れている場合は、ケガをしないように片付けるとともに、建物の外にガラスが飛び散っていないか確認します。併せて、ガラスが飛散している場所は片付けが終わるまでは立ち入りを禁止して、その旨を掲示しておきましょう。地震後、建物内部の扉の開閉に不都合が生じた場合は、余震が起こった際に避難の妨げとならないよう開いたままの状態にしておきます。
自社での応急対応が難しいようであれば、専門の事業者に修理を依頼します。
(2)避難経路の被害確認
地震の大きな揺れによって階段が壊れている、通路の扉が開閉できない、あるいはキャビネットが倒れて通行できないなどの状況が起こり、避難経路が使えなくなることが考えられますので、そのような状況が発生していないか、複数の従業員で確認します。
避難経路がふさがれている場合は、速やかに代替となる避難経路を検討し、全従業員に周知することが求められます。
中小企業の防災 これだけはやっておこうの他の記事
おすすめ記事
余計な情報をつながない安否確認システム
安否確認システム「オクレンジャー」は2006 年に提供を開始したサービス。災害時の初動に欠かせないアプリとして広く認知され、累計ユーザー数260 万を突破した。開発元のパスカルは地域のSIerとして、防災分野以外でもビジネスの高度化に貢献する。社長の井上隆氏に、創業以来の事業コンセプトと今後の展望を聞いた。
2026/03/11
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/03/10
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/03/05
ネット風評被害を叩き企業の信頼を守る
ネット社会の「カイシャの病院」として企業の風評被害を治療・予防するソルナは昨年7月、代表交代をともなう事業承継を行いました。創業者の三澤和則氏が代表取締役を退任し、新たに安宅祐樹氏が就任。これまでのサービス価値をさらに高め、企業の信頼の基盤を保全していく構えです。新社長の安宅氏に事業承継の経緯と今後の展望を聞きました。
2026/03/02
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方