中村区議(右から2人目)の地元である江東区では多くの自主避難者が転居を余儀なくされた

「『避難の協同センター』をサポートする自治体議員の会」は13日、東京・新宿区の東京都庁で記者会見を開き、東京都の区市町村における、2011年の東日本大震災で被災した福島県からの自主避難者の実態について発表した。江東区議会事務局の調査で、東京都の23区28市町で580人の自主避難者がいるほか、福島県が自主避難者への住宅無償提供支援終了後の4月以降、転居先が自治体で把握できないケースも多いことがわかった。

中村まさ子・江東区議の要請で江東区議会事務局が調査した。3月時点で自主避難者の数を把握していたのは10区8市にとどまり、居住していたのは10区4市。最も自主避難者が多かったのは、国家公務員宿舎の東雲住宅がある江東区で338人。次いで大田区が62人。江東区では4月以降、3月末と同一住居に居住していたのは146人、公営住宅などへの転居が2人に対し「把握していない」が190人。大田区も「把握していない」が43人だった。

同会では避難先の自治体に被災者が登録し、役立つ情報を受け取る全国避難者情報システムがうまく機能していないことのほか、避難指示解除区域が広がる中で、支援を受けられない自主避難者の増加を懸念しているとした。そのうえで活動の中心となっている片山かおる・小金井市議は「国が中心となった自主避難者の実態把握と支援を行うべきだ」と述べた。

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リスク対策.com:斯波 祐介