2017/08/31
防災・危機管理ニュース

気象庁は30日、黒潮に関する情報を発表した。黒潮は太平洋の南に日本沿岸から大きく離岸し東海沖で北緯32度より南で蛇行して進んでいる。今後、関東・東海で潮位を上昇させ、沿岸低地で浸水被害を起こす可能性があるとして気象庁は警戒している。
黒潮は東シナ海を北上し九州南方から太平洋に入り、通常は日本の南岸に沿って流れる。現在の黒潮は紀伊半島から東海沖で大きく離岸し、北緯31.5度、東経137.5度付近まで南下。今後も流路は東海沖の北緯30.5度、東経139度付近までさらに南下し、10月上旬になっても大きく離岸した状態が続く見込みであると気象庁は予想。2005年8月以来の大蛇行となる可能性もあるという。
現在、紀伊半島東岸の潮位が10~20cm高くなっている。黒潮が蛇行すると冷水渦が発生し、西向きに海水が流れることで沿岸の潮位を上げる。秋にかけて東海から関東地方沿岸で潮位上昇が予測される。気象庁では台風や低気圧接近時に特に浸水被害が生じる可能性があるとして、注意を呼びかけている。
■ニュースリリースはこちら
http://www.jma.go.jp/jma/press/1708/30a/20170830_kuroshio.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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