東京都宗教連盟の小野理事長(右から2人目)は帰宅困難者受け入れへ小池知事に要望書を手渡した

東京都宗教連盟は21日、小野貴嗣理事長らが都庁を訪問。小野理事長が小池百合子知事に「災害支援に関する協議についての要望書」を手渡した。同連盟は都内約4000カ所の寺や神社、教会といった宗教施設での災害時の帰宅困難者受け入れの方針を申し入れ。小池知事も前向きな姿勢を示した。

同連盟から都への要望事項は1.災害対策における都と同連盟の連携と情報共有のための連絡調整委員会(仮称)の設置2.都内の宗教法人所有施設の帰宅困難者向け一時滞在施設などへの有効活用の促進―の2点。同連盟では都と委員会を設置し、宗教施設での帰宅困難者受け入れへ協議を行いたいとした。区市町村と宗教施設間での協定締結推進などが議題となる。

同連盟顧問の稲場圭信・大阪大学大学院人間科学研究所教授が2014年に実施した調査によると、自治体と協定を締結している宗教施設は全国に399カ所、自治体と協力関係にある施設は2002カ所で、計2401カ所が303自治体に何らかの協力を行っているという。

小池知事は要望書を受け取った後、「首都直下地震では都内で500万人以上の帰宅困難者の発生が見込まれる。申し入れは心強い」と歓迎。さらに「連盟の加盟施設4000カ所の情報も共有できれば、行政も助かるし都民も安心する。宗教施設は広いし、井戸を持っているところも多い。セーフシティの実現へ区市町村とも連携して前に進みたい」と取り組みへ意欲を示した。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介