2017/11/15
防災・危機管理ニュース

内閣官房は13日、「感染症研究拠点の形成に関する検討委員会」の第3回会合を開催した。長崎市にある長崎大学が設置を目指す高度安全実験施設(BSL-4施設)について2021年度の開設を目指す。
BSL-4施設はBSL(バイオセーフティレベル)で最高のレベル4に該当する施設で、エボラウイルスといった危険性の高い病原体を安全に取り扱い、治療法などを研究するためのもの。
長崎大の計画では同大坂本キャンパスにBSL-4を建設予定。隣接して第一種感染症指定医療機関である同大学病院があるほか、3km圏内にはJR長崎駅・浦上駅などもある。安全対策として、実験室の排気と排水の処理室がBSL-4実験室を囲むように配置。実験室を箱とし、その外側をさらに箱で囲む「ボックスインボックス構造」とする。実験室を高気密とし、気流も内向きの流れを作る。病原体の封じ込めを図る。
建物は免震構造を採用。自家発電など設備機器の二重化を行うほか、BCP(業務継続計画)や防災計画を策定する。また実験室への立ち入りの厳重チェックを行い、病原体の管理状況やアクセス記録を管理。BSL-4実験室への立ち入りは身元が明らかでバックグラウンドチェックをした国内研究者に限定する。将来、施設利用対象者を拡大する場合、関係各省や長崎県、長崎市と協議し、安全確保策を講じたうえで、地元住民に説明を行う方針。
■ニュースリリースはこちら(首相官邸ホームページ)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusai_kansen/kento_iinkai/dai3/index.html#head
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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