上司や同僚のいない環境で減少する対話量や身体活動量
第4回:テレワークのリスクを考える(3)
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2020/11/18
感染症時代のリスクマネジメント
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
新型コロナウイルス感染症の流行長期化が続く中、在宅勤務だけではなく、勤務先以外の事務所スペースで仕事をするサテライトオフィス勤務、そしてモバイルワークなど、いわゆるテレワークを導入する企業が増えています。
その一方、テレワークを行う上での課題として、企業側からは「労働時間を管理することが難しい」「成果を評価することが難しい」、また従業員側からは「仕事と仕事以外の切り分けができない」「長時間労働になりやすい」など労務管理の問題があげられています。
そこで今回は、テレワークにおける労務管理について考えます。
新型コロナウイルス感染症流行の第一波でテレワークを取り入れた企業の中には、従業員の感染リスクを下げる観点から、緊急事態への対応として導入したところも多く、それがそのまま継続しているという状況です。
テレワーク制度を、十分に準備が整わないまま導入した結果、労働基準関係法令が守られていない、という事態があってはなりません。
遵守するべき法令には「労働基準法」、「最低賃金法」、「労働安全衛生法」そして「労働災害補償保険法」などが考えられます。
労働基準法において、企業は従業員に対し、賃金や労働時間のほかに就業の場所を明示することが求められています。つまり、従業員がテレワークを行うことを予定している場合は、自宅やサテライトオフィス等、テレワークを行うことが可能である就業の場所を明示することが望ましいとなっています。
またテレワークの実施とあわせてフレックスタイム制を導入し、始業および終業時刻の変更を行うことを可能とする場合は、就業規則に記載するとともに、これを明示することも求めています。
自宅には自分を管理する上司がおらず、また同僚もいないことから、オンとオフの切り替えが難しくなり、必要以上に労働時間が長くなることが考えられます。
企業は、従業員の労働時間を適正に把握することを求められており、具体的には、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録を前提に把握することが重要です。
また、やむを得ず従業員の自己申告制で労働時間を把握する場合でも、自己申告により把握した労働時間と、パソコンの操作ログから把握した労働時間に大きな乖離があるときには、実態調査を実施するなどして適正な運用が行われるよう配慮することが重要です。
さらに、単に労働時間を管理するだけではなく、長時間労働を防ぐ手法として、次の事項が考えられます。
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