八代市坂本地区を流れる球磨川。令和2年7月豪雨では川があふれ、地区全体を飲み込んだ

自社の防災計画を見直すために、過去の災害事例を調査して何らかの教訓を得ようとされたことはありませんか? 振り返りはぜひ行ってほしいことですが、表面的に過去の災害をただなぞるだけでは、当時の状況や人々が直面した課題が立体的に浮かんでこないものです。

そこで、水害や土砂災害事例を調べる際にチェックしてもらいたい点を10のポイントとしてまとめました。今回の記事ではポイントの1から5を紹介します。それぞれのポイントには例として令和2年7月豪雨関連の資料を掲載しています。

画像を拡大 図1. 気象災害事例を調べるときの10のポイント(筆者作成)

ポイント1. どこでどれだけの雨が降ったか?

気象災害の概要を把握するときには、まずはどの程度の雨量がどこで観測されたのかを知ることが基本となります。水害や土砂災害はその地方として普段経験しない量の雨が降った時に起こりやすいものです。このため、その場所として記録的な雨量が観測されていないかもチェックしてみてください。雨量関係の情報は地元気象台が取りまとめる「災害時気象資料」や「気象速報」と題した文書に記載されます。

確認したいポイント
・降り始めからの雨(総雨量)は何ミリを記録したのか
・雨が一番まとまったところはどこか
・歴代1位を更新するような雨やトップ10に相当するような雨が降らなかったか
画像を拡大 図2. 令和2年7月豪雨の際に熊本県内で観測された雨量の記録。赤色や青色部分はこれまでの観測記録で歴代1位だった値(極値)を塗り替えたもの。1時間降水量で極値を更新した例もあるが、多くの場所では3時間や6時間、12時間、1日というスパンで記録的な雨が降り、災害が発生したことが分かる(出典:熊本地方気象台「災害時気象資料」より https://www.jma-net.go.jp/kumamoto/shosai/kakusyusiryou/20200705_kumamoto.pdf