リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果から、災害対策のポイントを学ぶシリーズ9回目は、基本的な備蓄について取り上げます。下記の質問に対して、自社の取り組みがどの程度当てはまるか、ぜひ改めて組織内で考え、現状の対策を見直してみてください。このシリーズが終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです!

【質問13】

(地震後)幸い建物には入ることができました。しかし、停電により建物内は真っ暗です。あなたの組織は、おおむね全ての従業員が困らない程度の懐中電灯あるいはランタンが用意できていると思いますか?

【質問14】

地震の揺れにより断水が発生し、トイレの排水管にも不具合が生じているようです。あなたの組織では、おおむね全ての従業員が困らない程度の簡易トイレが準備できていると思いますか?

【質問15】

公共交通機関は止まり、道路は渋滞が続いています。あなたの組織では、おおむね全ての従業員が宿泊できる程度の準備(場所、水、食料、寝袋など備蓄の確保)ができていると思いますか?

①全くそう思わない
②あまりそう思わない
③半々
④そう思う
⑤強くそう思う

さて、どうでしょう? 回答状況は以下の通り。

 

【質問13】

 

【質問14】

 

【質問15】

 
 
兵庫県立大学教授 木村玲欧氏のコメント

もう少し備えが進んでいてもよい項目だと思いました。懐中電灯にしてもヘルメットにしても、全員が1つずつ持つべきものであり、それは従業員の命を守るという目的のもとで、個人の裁量に任せずに組織がしっかりと準備すべきものだと考えられます。また従業員自身も、会社任せにせず、会社にどんな備蓄があるのか、どう使えばよいのかを訓練で知っておく必要があります。備蓄されている懐中電灯やヘルメットを使って避難訓練をしたり、段ボールベッドや簡易トイレを使って帰宅困難者対策訓練を実施するなど、備蓄を最大限に活用した防災対策の向上が求められています。