2015/07/25
誌面情報 vol50

見落としがちなリスク
福渡氏は「国内の課題として、多言語化への対応やバリアフリー化などもある」と注意を促す。多言語化やバリアフリーは、巨大災害や大規模事故などに比べると、リスクという言葉が適切とは思えないかもしれないが、これらも、東京大会が掲げている「全員が自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」という目的達成を阻害する要因になることからリスクとして捉えるべきだという。落合氏は、「民間企業においても、東京2020大会の目的達成に向けた種々の取り組みから自分たちの事業がどのような影響を受けるのか、もしくは、どのような影響を与えるのかを考える際には、マイナス面だけでなくプラス面につながる観点から気付けるリスクもあることを認識するべき」と付け加える。
組織委員会の基本計画では、大会を支える機能(ファンクショナルエリア:FA)として、宿泊、出入国、競技、会場マネジメント、選手村マネジメンなど計52の機能を挙げている。
福渡氏は「これら一つひとつの機能が抱えるリスクについて、対処の優先順位が必ずある。各機能の主体となる組織がリスクマネジメント体制を構築し、リスクを特定・把握・評価し、重要リスクを選定・対策した後、それをモニタリング・改善するPDCAサイクルを構築しなくてはいけない」と話している。

(了)
誌面情報 vol50の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/08/05
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/04
-
-
-
-
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
-
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
-
-
事例研究で有事に備え、組織の体質改善で形骸化を防ぐ
組織レジリエンスの強化やサイバーセキュリティーの向上、サプライチェーンの強靭化など、危機管理やリスク管理担当者が関与する領域は年々拡大している。変化する社会状況にあわせ、担当者はどのように学び、備え、対応することが求められるのか。森総合研究所代表の森健さんは、自治体と企業で危機管理担当者としての経験を積み、現在はコンサルタントとして、企業や団体の危機管理の支援を手がけている。自身の経験を踏まえ、危機管理の担当者にどうアドバイスしているのか、話を聞いた。
2026/07/27
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方