2015/07/25
誌面情報 vol50
オリンピック開催にあたり、考えられるすべてのリスクに同じレベルで対策を講じることは不可能だ。テロや事故、自然災害だけでなく、資材や人件費の高騰、交通渋滞などリスクを挙げ出したらきりがない。では、どのように対策を講じるべきリスクを選びだしたらいいのか。リスクマネジメントの手法を解説する。
編集部注:「リスク対策.com」本誌2015年7月25日号(Vol.50)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。役職などは当時のままです。(2016年8月17日)
一言でテロといっても、その手法は多種多様だ。集団で行うものからローンウルフというような単独犯が行うもの、暗殺や誘拐だけでなく、CBRN(E)(シーバーン)と呼ばれるように、化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)、爆発物(Explosive)などの大量殺傷兵器を使うものまで多岐にわたる。自然災害でも地震が引き起こす脅威は揺れだけでなく、火災、津波を伴うものもあるし、台風も強風だけでなく大雨や高波を引き起こすことも考えられる。その他、感染症や建物への不法侵入、サイバー攻撃(サイバー攻撃の方法もDDOSや標的型など多岐にわたる)、さらにリスクの幅を広げれば、インフラの故障や交通機関の事故など、数え出したら枚挙にいとまがない。
こうしたリスクの中から優先して対処すべきものを洗い出し、対策を講じるといった組織的な管理活動をリスクマネジメントと呼ぶが、その際、オリンピックにおいて対処すべきリスクは、どのようにして選定すればよいのだろうか。
損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント株式会社ERM部長の落合正人氏は「リスクマネジメントにおいて重要なことは、その目的や方針を明確にすることだ」と指摘する。
誌面情報 vol50の他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方