2018/03/20
防災・危機管理ニュース

内閣官房は20日、「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」の第40回会合を開催。2019年度に予定されている次期国土強靭化基本計画の策定に向け、脆弱性評価や45の「起きてはならない最悪の事態」の見直しについて話し合われた。最悪の事態に至るフローチャートで特に多く挙がる課題を「戦略的政策課題(仮称)」とし、その考え方が示された。また「国土強靭化アクションプラン2018」の構成案も示された。
「起きてはならない最悪の事態」では災害発生時の初期事象から最悪の事態として起こる事態について、フローチャートを用いて分析している。今回示された次期基本計画に向けての脆弱性評価結果案では、暴風雪や豪雪に伴う多数の死傷者、劣悪の避難生活環境や被災者の健康管理不全による災害関連死の発生、文化の衰退・喪失、事業用地取得が進まないための復興の遅れが追加されるといった見直しが行われる。
このフローチャートで多くの最悪の事態に影響を与えている事象などを「戦略的政策課題」に設定する。今回の最悪の事態で多く出てくる事象については「災害リスクの高い場所への人口集中」「住宅・建物の被害」が10回で最多。「人員・資材等の不足」が次いで7回。こういった悪影響を広く与えるものについて対応に注力。2018年度に進める次期基本計画策定作業時にさらにフローチャート分析を行い、戦略的政策課題を抽出。2019年度以降の国土強靭化アクションプランでの取り組みに反映させる。
アクションプランは5カ年計画である国土強靭化基本計画の推進へ、毎年策定されるもの。取り組むべき具体的な個別施策などを示している。「2018」は次期基本計画策定へ、現計画下のプログラムの進捗や評価、課題整理などを行う方針。5月下旬をめどに策定する。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方