2018/03/26
防災・危機管理ニュース

国土交通省は23日、2016年の全国の水害被害額を発表した。4661億2000万円で、過去10年間で2011年の約7290億円に次ぐ2番目。前年比約2割増となった。台風10号被害の大きかった岩手県と北海道で約7割を占めている。2011年の被害に東日本大震災の津波は含まれていない。
被害のうち河川や海岸、下水道など公共土木施設が約2810億円で約60%を占める。被災建物棟数は1万6238棟で、床下浸水が9173棟で最多。全壊・流失は1251棟。浸水区域面積は1万285haにのぼり、農地が6703ha、宅地・その他が3582ha。
都道府県別では最多が岩手県で1681億9400万円、次いで北海道が1651億7300万円。この2道県だけで71.5%を占め、3位の鹿児島県は190億100万円と大きな差をつけている。2016年の台風10号では岩手県の小本川が氾濫し、グループホーム在住の高齢者9人が亡くなった。北海道では空知川の氾濫による南富良野町の浸水や食品加工場の被災といった被害が出た。
■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000942.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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