昭和56年8月の江別市の水害状況(写真:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/nihon_kawa/0109_ishikari/0109_ishikari_02.html

北海道は国土の最北部に位置し、気候区分としては亜寒帯に属する。その北海道でも、豪雨の発生することがある。最近では、2016(平成28)年の8月後半、北海道に相次いで上陸または接近した4個の台風による豪雨が記憶に新しい。それ以前の豪雨事例としては、2003(平成15)年8月の日高地方を中心とした豪雨もあるが、北海道の防災関係者が「五六水害」と呼んで教訓としてきたのは、1981(昭和56)年8月の北海道豪雨である。

1981年8月、北海道は2度の豪雨に見舞われた。最初の豪雨は8月3日~6日、2度目の豪雨は8月21日~23日であり、どちらも台風が関与した。被災地域は全道にわたり、死者は合わせて10人であるが、浸水棟数や農業・土木被害、総被害額でみると最初の豪雨の方がはるかに大きい。本稿では、1981年8月3日~6日の豪雨を「北海道豪雨」と呼ぶ。今年は、この北海道豪雨からちょうど40年である。