2016/01/24
誌面情報 vol53
燃料ソリューション
燃料確保を支援
大阪府堺市に本社を持つシューワ株式会社は、自家発電設備を設置した企業・団体から、大震災などの緊急時における安定的な燃料供給の契約ニーズが高まっていることから、燃料の専属貯蔵サービスや専属配送サービスなどを行っている。同社では専属の貯蔵タンクを全国に分散設置。「地下タンク」を採用し、津波でも流されることがないよう対策を講じ、24時間365日の出荷体制を整えている。災害時には、全国を網羅する供給ネットワークにより、燃料をダイレクトで配送する。
横浜市に本社を持つ三和エナジー株式会社も、災害時や緊急時に最優先で燃料を供給するサービスを展開。専用車両・備蓄燃料の自社保有に加え、平時から訓練を強化するとともに、緊急出動の受諾から配送までの指示系統を一本化し速やかに遂行できる体制を強みとする。東日本大震災では、震災当日の19時から14日間で、275カ所の非常用発電機へ燃料を供給した実績がある。
東京都墨田区の平野石油株式会社は、小回りのきく小型タンクローリーで緊急時の燃料を配送する。災害時でも燃料をビルの屋上や、地下に設置されている非常用発電機などにも給油できる体制を整えている。小型ローリー367台と140の配送拠点を持つ。災害発生時には、車両の位置をGPSで確認し、適切な車両に効率的な緊急配送を指示する。
非常用発電機の試験を支援
東京都新宿区の株式会社アステックスは、非常用発電設備が確実に性能・能力を発揮できるかを確認する「負荷試験」を行っている。非常用発電機を動かすだけの試運転では、その発電能力が100%発揮されるか確認できず、そればかりか、軽負荷や無負荷で長時間運転するとマフラーなどに未燃焼燃料やカーボンが堆積し性能低下や故障原因になり、最悪火災の原因となる可能性があるという。同社は、「負荷試験は自家用発電設備の性能を検証する唯一の方法」と必要性を呼び掛けている。
シューワ株式会社 平野石油株式会社 三和エナジー株式会社 株式会社アステックス |
※上記企業は、2015年12月10日に弊社が開催した国土強靭化セミナーでの協賛企業です。
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