2021/09/28
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
本報告書では、すでに述べた4つのカテゴリーごとにより詳細な分析結果が示されている。図2はこれらのうち「ビジネス」に関する個々のリスクの中で、現在および今後12カ月の間に最も重大なリスクがどれかを尋ねた結果である。左側の赤色が全ての回答者による回答結果、中央の紫色が英国、右側の水色が米国の回答者による回答結果を表わしている。
報告書中の説明によると、これらの中で最も懸念が集まっている「Supply chain」には、サプライヤーの破産や、取引ルートや取引メカニズムの混乱などが含まれている。「Business interruption」は事業所にアクセスできなくなるか、普段通りの取引ができなくなることによる事業中断と説明されている。「Boardroom」とは役員室という意味だが、ここでは役員の怠慢や不適切な意思決定、ガバナンスの欠如を含むリスクを指すものとして用いられている。「Reputation」はブランド価値や顧客からの信頼に対する悪影響である。「Employer」はメンタルヘルスを含む労働安全衛生に関するリスクを指すが、パンデミック後の新しい労働環境(new normal working practices)への対応を含むことが明示されている。「Crime」には組織的な犯罪や不正行為などが含まれる。
これらの中で特に「Supply chain」や「Boardroom」、および「Reputation」は図1の横軸(resilience)が低い(=準備ができていない)ため、より懸念が大きくなっているものと考えられる。
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/09
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方