2018/04/25
防災・危機管理ニュース

気象庁は2030年を見すえビッグデータ活用やAI(人工知能)やといった最新技術による防災情報活用の向上を目指す。24日、交通政策審議会の第26回気象分科会を開催。地震や津波が起こった後の見通しを出す方針。
レーダーやセンサーが発達し、増大するビッグデータの解析が今後進むほか、IoTで個人の情報取得やAIを用いた気象や地震、火山の画像分析も見込まれる。気象庁では気象監視や地震、津波、火山について2030年に目指すべき目標を定める。
地震については、現在は緊急地震速報や推計震度分布などが公開されている。2030年に面的な揺れの広がりを提供。震度だけでなく長周期地震動階級も合わせ、様々な指標を図も交えて提供する。また具体的な地震活動の見通しや、南海トラフ地震関連情報の的確な運用を行えるようにする。津波は現在、警報の解除や避難機関が見通せないほか、さらに大きな津波が来ないかの不安も残る。津波の第1波・最大波から減衰までの時間的水位や解除の見通しの提供を目指す。
気象監視では2週先までの気温や暴風、大雪の予測情報の提供を行う方針。熱波や寒波による極端な高温・低温については、1カ月先まで確度の高い予想を目指す。
AIの活用は画像解析などで見込まれるが、時系列データの解析が苦手なことや、機械学習のためにも知見の積み重ねが必要といった問題もある。AI活用へ専門的な研究機関や民間事業者との情報交換や連携も進めていく。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方