2018/05/23
防災・危機管理ニュース

内閣官房は18日、2017年度「新型インフルエンザ等に関する業務継続計画調査」の結果を発表した。70業種141事業者を対象にした調査。対処が必要となる救護施設や生活に関連が深い食料品スーパーは比較的3社ともBCP(事業継続計画)の内容に共通性があるが、医薬品関連は低いことなどがわかった。調査は1業種3社が目安。調査期間は2017年10月17日から今年2月28日まで。
業種別にみると、救護施設は3施設とも共通のフォーマットのBCPを使用。対応主体と何をするかが明確で、感染症対策も発生段階ごと、業務ごとに対策が詳細に記述されているという。一方で医薬品卸売販売業(5社)、医薬品製造販売業(3社)、医薬品製造業(3社)はいずれもBCPが事業者ごとにかなり異なっており、共通性は低い。医薬品卸売販売業のうち1社のBCPは5ページしかなく、別紙で政府行動計画の被害想定と感染防止対策が添付されていたという。
食料品スーパーは3社ともBCPの共通性が高い。全社とも対策本部の設置や組織図、責任者や役割分担が記述されており、欠勤率に応じて売場の縮小や継続を決める。電気業は3社とも共通のフォーマット。石油精製業は3社とも政府行動計画が基。いずれも対策本部が設置され、組織構成なども決まっている。全社とも平時から危機管理組織を設置し、新型インフルエンザの情報収集も行っているという。
■ニュースリリースはこちら
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/h29_bcp.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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