2018/06/08
直言居士-ちょくげんこじ
新サービスでは、従業員100名以下かつ商工会議所の会員企業であれば、従業員数、出張回数にかかわらず、年会費6万4800円(税込)の一律価格で提供。さらに今回は緊急避難のために必要となるチャーター便手配、延泊、護衛の費用まで、従来のサービスでは契約企業に請求していた実費負担を、社員本人とその家族ともに一切無償にした。

皆に頼られるパートナーになりたい
大企業向けの従来のプランでは、専用のモバイルアプリを配布し、駐在・出張中の社員の安全をリアルタイムで把握し、何か緊急事態があれば瞬時に一斉通知し、24時間稼働するオペレーションセンターを通じていつでも緊急避難手配が可能な体制をとる等の追加サービスも販売している。一方今回の中小企業向けプランでは専用アプリなどは配布せず、契約企業の役職員が危険を感じたときにコールセンターに電話すれば、必要に応じて緊急避難の手配を行う。サービスを必要最小限に絞り、低価格・実費なしを実現する。一般的な海外旅行保険と組み合わせて利用することで、海外出張・赴任時に想定される大抵のリスクに対する備えを従来にはない価格帯で実現した。
これまで同社ネットワークでは入り込めていなかった中小企業マーケットを新たな顧客対象と捉え、課題解決を提示する新たなサービス。グループ全体でも中小企業の事業継続に対するサポートを戦略の最上位の一つに掲げているため、フランス本社をはじめ世界中の拠点からの注目度も極めて高いという。
実は鈴木氏もかつて10年ほど前に、3年ほどアクサグループのフランス・パリ本社に勤務した経験がある。当時は日本の工芸品や最先端のものづくりを紹介するため、日本の全国各地の商工会議所がそれぞれの地場中小企業とともに展示会出店に訪れる姿を何度も目の当たりにしてきた。自社のサービスがそのような中小企業の安心を支えることへの感慨は大きい。「単に保険金を支払うPayerではなく、より多くの企業経営者や社員の方々に頼ってもらえるパートナーとなっていきたい」(鈴木社長)。
■アクサ・アシスタンス・ジャパンが2018年4月から提供開始する「商工会議所の海外危機対策プラン」の紹介ページ
https://www.axa-assistance.co.

鈴木匠(すずき・たくみ)氏
京都府生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、アクサ ニチダン生命保険(現 アクサ生命保険)入社。 生命保険事業の営業推進・商品企画・プロジェクト管理を務める。
アクサ・アシスタンス・ジャパン株式会社
1959年スペインに設立したGESA(グローバル・アシスタンス会社)を源流に、日本では1989年インターパートナー・アシスタンス・ジャパンとして営業開始。2009年、組織変更により現在のアクサ・アシスタンス・ジャパンが誕生。全世界34カ国に拠点を持ち、200カ国をカバーするグローバルサービス拠点の一角を担う。フランス大手保険グループアクサの一員として、プライベートジェットや同伴医師を擁して全世界に医療搬送するネットワークインフラを活かし、メディカル(渡航先での病院紹介、手配、医療搬送)・セキュリティ(渡航先の緊急事態時の退避・安全確保)・ホーム(国内の日常生活のトラブルや健康相談)の分野でサービス展開している。
(了)
直言居士-ちょくげんこじの他の記事
- つながり支援や企業連携で災害対策強化
- 地方データセンターで災害対策と省エネ
- 災害リスクに対抗、クラウドで事業継続
- 中小企業向けに低価格「海外危機対策プラン」を開発
- 防災活動をドローンでより安全に
おすすめ記事
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方