2022/07/07
山を歩けばリスクにアタる
■コワイをユカイに変えよう
「フム、フム、なるほど」。ハルトはしきりにうなずきました。確かに言われてみれば、ほとんどすべて説明がつきます。人は未知のモノに対しては必要以上に警戒し、恐れるのかもしれない。一度その正体がわかってしまえば、ヒデ先輩のように超然としていられるのだろう。
ハルトはヒデさんをうらやましく思うと同時に、これからは登山を少しでも快適にするために、登山装備と同じように心構えについても一工夫を凝らし、怖がりな性格を少しずつ薄めていこうと思い立ちました。

まず、たとえ不思議な現象に出くわしても、そのままストレートに怖いとは受け止めずに、ヒデさんの話を思い出したり、こじつけでもよいから合理的な説明をこしらえて自分に言い聞かせること。そして、山で体験する得体のしれない出来事というのは、ある意味とても「貴重な体験」なのだと思うこと。映画やお化け屋敷が提供する人工的なコワさなんて子供だまし。山では夜行性動物や自然現象が主役のリアルなホラー劇場が堪能できるんだぜ、という開き直りもしくは優越感を持つことです。
「そう簡単にはいかないかもしれないけど…。まあ、これも経験を重ねて慣れるしかなさそうだ」。ハルトが宙を見ながらこんなことを考えていると、ヒデさんが心配して声をかけました。

「ハルト君大丈夫か? 少しシリアスな話に深入りしすぎたかな。なあに心配はご無用。何かコワイ場面に出くわしたら、ビデオに撮ってユーチューブにアップしちゃえ。アクセスが急増すること請け合いだよ。わははは」
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