2015/01/20
C+Bousai vol2
支援の空白
丹波市に集まったボランティアは発災から3カ月の時点で延べ1万7000人を超えた。神戸大学名誉教授の室﨑益輝氏は「丹波市市島や柏原は小さな城下町としての歴史があり結束が強い。丹をはじめ地域の人たちが主導して対応し、経験のある外部のボランィア団体がサポートした珍しい例だ」と語る。
総務省が5年に1度実施している社会生活基本調査によると2011年に災害ボランティア活動を行った人は431万7000人。10年前に比べ約2.7倍に増加した。阪神・淡路大震災から20年が経ち、さまざまな経験を積みボランティアは着実に成長している。
一方で、丹波市の集中豪雨から4日後に広島市北部で豪雨による大規模な土砂災害が発生すると、課題も浮き彫りとなった。
広島に集まったボランティアの数は、発災から3カ月で5万人近くと、丹波を大幅に上回る。広島市が集市街地なのに対し、丹波は山間地で土砂が農地も含め大量に入り込み、被害地の面積は広大に広がる。山腹崩壊は200カ所以上と広島を上回り、農業や林業の復興など、山村部特有の支援も求められる。「多くのボランティアが広島に行き、丹波市では支援の空白が生まれた。全体を見渡して調整し、役割を分担する必要がある」と室﨑氏は問題点を指摘する。
東日本大震災後にもボランティアが特定の地域に集中していることが問題になった。人的被害が大きい場所だけを取り上げる報道姿勢も問題だが、行政の情報発信力についても考える必要がある。集中豪雨や地震が多発する日本では今後も災害が重なることは十分に予想される。メディアとの災害報道に関する協定の締結、SNSの活用など、情報発信力を高める体制を整えておかねばならない。
■2014年8月16日 丹波市豪雨災害被害状況
人的被害 死亡1人、負傷4人
住宅被害 全壊17棟、大規模半壊8棟、半壊39棟、一部損壊1棟、
床上浸水140 棟、床下浸水723棟
非住家被害 全壊27棟、大規模半壊2棟、半壊10棟、
床上浸水140棟、床下浸水1433棟
その他被害
林地崩壊116カ所、道路冠水64カ所、土砂堆積:道路84カ所・河川29カ所・農業用排水37カ所・農地140カ所、崩落等:道路79カ所、河川26カ所
2014年9月22日まとめ
■災害ボランティア登録状況
1万7230人(個人6068人、団体1162人)
※2014年12月22日まとめ
C+Bousai vol2の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/03/31
-
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
-
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
-
-
-
-
-
-
-
火事・水害の被災設備に復旧という選択肢
災害復旧専門サービスのベルフォアジャパンは昨年、独自営業による顧客開拓に乗り出しました。これまでは共同出資者の東京海上日動火災保険を窓口としてきましたが、体制変更を機に直接の市場アプローチを開始。BCPの実効性を確保する手段として自社のサービスを訴求する考えです。代表取締役社長の加藤道久氏に今後の市場戦略を聞きました。
2026/03/18







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方