2015/01/20
C+Bousai vol2

雨具をまとい長靴を履いたボランティアを乗せた大型バスが作業現場へ向け次々と出発する。丹波市災害ボランティアセンターはJR福知山線の市島駅からほど近く、徒歩でかけつける人も多い。災害ボランティセンターは、被災地のニーズとボランティアを結びつけ、ボランティア活動を効率よく推進するための組織だ。阪神・淡路大震災で誕生し、以来、全国各地で、社会福祉協議会が中心となって立ち上げる仕組みが整いつつある。
各地から集まったボランティアは、ここで受付を済ませ、簡単な説明を受けてから、ニーズに応じて、人数を調整されバスに乗り込む。出発するまでに20分もかからず非常にスムーズだ。しかし、効率よくボランティアを送り出せるようになるまでには約2週間かかったという。
丹波市は兵庫県の東、京都府の福知山市に隣接する人口約7万人の都市。2014年8月16日から17日にかけ、時間雨量で260㎜、242時間で132㎜という大雨が降り、林地崩壊116カ所、2500棟以上の建物被害が発生するなど甚大な被害を受けている。
これまでに目立った災害がなかった地域で、ボランティアセンターの開設そのものが初めての経験だった。「兵庫県社協やさまざまなボランティア団体の協力でここまでこられた。地元のボランティアグループ丹(まごころ)には特にお世話になった」と丹波市社会福祉協議会の職員は語る。
災害支援ボランティアネット丹(以下、丹)は、東日本大震災の被災地である宮城県七ヶ浜町でボランティア活動にあたった丹波市民のメンバーらが中心となって設立した団体だ。代表を務める打田諭志氏は「すぐにボランティアセンターを立ち上げようと、雨のあがった17日に行政に掛け合った」と振りかえる。丹の理事たちが率先して被災地区の自治会長に連絡を取り被害状況を集め、被災住宅の泥出しを手伝った。19日にセンターが立ち上がると、丹が中心となって被害情報の収集やボランティアのマッチングを行うようになった。「七ヶ浜町のボランティアセンターの運営に習った。どこに何名派遣したか、大きく書き出し表示することでボランティアの状況を把握できるようにした」と打田氏は話す。
C+Bousai vol2の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/10/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方