COP 27で言われた「ロス&ダメージ」って何?
第17回: 広がる途上国での災害の補償と責任

ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
2022/12/04
危機管理で学ぶ英語
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
2022年11月、エジプトのシャルム・エル・シェイクで国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催されました。台風、洪水、山火事、近年多発する気候変動による自然災害。特にアフリカ諸国での干ばつや国土の3分の1が水没し壊滅的な被害を引き起こしたパキスタン大規模洪水など、災害に脆弱な途上国での被害が深刻化しています。COP27では、こうした地球温暖化がもたらす途上国への被害支援に焦点が当てられました。一方、化石燃料削減への進展がみられず、先進諸国から批判も少なくない結果となりました。今回は、実際の会場や海外メディアで使われた英語を勉強していきましょう。
1. The “Conference of the Parties” (COP), is the global decision-making body of the UN Framework Convention on Climate Change (UNFCCC). The 198 countries meet every year to review progress and decide on the path forward.
UNEP at the climate COP27
COP(締約国会議)は、UNFCCC(国連機構変動枠組条約)の国際的な意思決定機関のことを指す。毎年198の国々が集まり進捗状況を確認し、今後の方針を決める。
2. Now world leaders are addressing the COP27 Summit in Egypt today as they try to rally global support for tackling climate change. Talks this year will focus on three things.
BBC News
今、気候変動に対する国際的支援を再集結することを目的に、世界の首脳がエジプトのCOP27に取り組む。今年は3つの項目に焦点が当てられている。
3. The first, implementation of what’s known as the Paris agreement now in 2015 countries agreed to try to limit global temperature rises to 1.5 degrees Celsius.
Second, we have action on loss and damage. That’s developed nations finding ways to compensate and assist developing nations following decades of environmental damage. And thirdly, well there is a promise to be more transparent about the process.
8th of Nov, BBC News
第一に、多くの国々が気温上昇を1.5度までに抑える努力をすることに同意した、いわゆる2015年のパリ協定の実現。第二に、「損失と損害」に対する具体的な行動。何十年にもわたって環境被害を受ける途上国を支援、補償する方法を先進諸国が決めること。そして第三に、そのプロセスについて透明性の向上を約束することだ。
4. Building flood defences, preserving wetlands, restoring mangrove swamps and regrowing forests – these measures, and more, can help countries to become more resilient to the impacts of climate breakdown. But poor countries often struggle to gain funding for these efforts.
20th of Nov, Guardians
水防の建設や湿地保護、マングローブ沼沢地や森林の回復、-これらの対策は、気候変動による災害から国々をより早く回復させる手段である。しかし、貧しい国々は、しばしこうした取り組みの基金を得ることが難しい。
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