品川駅では談合で問題となったリニア中央新幹線の工事が行われている

次の「朝日」の記事はショッキングである。

「リニア工事 ゼネコンを捜査 発注者との蜜月 新たな談合」との見出しである。

土木界は「天の声」と未だに決別できないのか。公共事業をめぐる談合が納税者を愚弄する犯罪であることは論をまたない。ラテン語の格言に“Vox populi, vox Dei”(民の声は天(神)の声)がある。「民衆の声こそ政治の原点」というわけだ。「朝日新聞」の名コラム「天声人語」はこの格言から来ている。日本では「天の声」もすっかり地に落ちてしまった。「天の声」が「談合」または「官製談合」の代名詞となって久しい。公共事業が国民の血税から成り立っていることなど今更言うまでもないことだ。
               ◇  
以下「朝日」の記事から適宜引用する。    

アベノミクスによる公共事業の増加で好況に沸く建設業界。その牽引役のゼネコン大手4社に、巨大プロジェクト「リニア中央新幹線」建設工事の談合をめぐり東京地検特捜部がメスを入れた。浮かび上がったのは、談合体質から脱皮したはずの4社が発注元との親密な関係を背景に「新たな談合」を行った構図だ。

<難工事、大手すみ分け容認か>

東京地検特捜部が3月、大林組、鹿島、大成建設、清水建設のゼネコン大手4社と、大成建設、鹿島のリニア担当2人を、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で起訴した。

談合があったとされた品川、名古屋両駅の新設工事は「指名競争見積方式」という入札で発注された。発注元のJR東海が指名した大手4社から技術提案を受けて価格などを協議した上で選定していた。かつて価格調整による談合が横行したため、技術提案を加味する選定方式は談合を防ぐ狙いがあり、近年は公共工事の入札で広く行われている。今回の方式で談合があった場合、関わる当事者が少なく密室での複雑なやりとりが多いため、受注調整の立証は難しくなる。

大成建設、鹿島は談合を否認しているが、特捜部は、課徴金減免制度を利用して談合を認めた大林組、清水建設側から4社間の詳細なやり取りに関する供述などを得て、いわば「新型談合」の刑事責任を法廷で問うことにこぎ着けた。

一方、JR東海は談合の被害者だが、談合しやすい環境を作ったともいえる。工事に関与したJR東海元幹部は、品川、名古屋両駅工事が高度な技術力を要するため「大手4社にしかできない」と考え「事前に技術協力してもらいパートナーのようだった」と語る。さらに「工事実績から品川駅を大林組、清水建設、名古屋駅を大成建設が受注する流れが当然と受け止められていた」と証言し、発注者が大手同士のすみ分けを許容していた疑いさえ浮かぶ。受注調整の時期の数年前に当時のJR東海幹部が4社側に工事情報を伝えたことも判明した。JR東海は談合に至る土壌づくりに一役買っていたことを反省すべき立場でもあるだろう。