2023/05/19
防災・危機管理ニュース
特定非営利活動法人事業継続推進機構(BCAO)は5月19日、事業継続の普及および実践に貢献した個人や団体を表彰する「BCAOアワード2022」を発表した。特別賞には北陸国際物流戦略チーム広域バックアップ専門部会と株式会社丸和運輸機関が選ばれた。北陸国際物流戦略チーム広域バックアップ専門部会は、2012 年から10年間にわたり、太平洋側に立地する企業の災害時の海上輸送の代替戦略として、日本海側の港湾を使用する代替輸送の訓練を続けてきた。新型コロナ蔓延時にもオンラインの訓練を継続するなど、長年の訓練継続の努力が評価された。株式会社丸和運輸機関は、陸運及び3PL事業を展開する関連団体の参加企業に呼び掛けて「連携事業継続力強化計画」策定に取り組み、災害時物流の強化に貢献してきたことなどが評価された。同アワードは2006年に創設し、今年で17回目となる。授賞式は、5月25 日にオンラインで行う。受賞者は下記の通り。
【事業継続部門】
■特別賞、普及貢献賞:北陸国際物流戦略チーム広域バックアップ専門部会「首都直下地震および南海トラフ巨大地震を想定した日本海側港湾への外貿コンテナの代替輸送訓練」
■特別賞、人づくり・訓練賞:株式会社丸和運輸機関「AZ-COM丸和グループ事業戦略と結びついたBCMの進捗」
■優秀実践賞、人づくり・訓練賞:ナブテスコ株式会社 パワーコントロールカンパニー「サプライヤーの海外工場被災に伴う事業継続対応<実践事例>~ 生産を支える調達BCPの取り組み ~」
■特別賞:TAUE会(有限会社 江見総合保険、有限会社植木保険サービス、株式会社オフィスタカ)「~保険代理店間のBCP提携協力~『競合社間の利欲を無くし顧客保護を最優先する』」
■普及貢献賞:株式会社百五総合研究所「三重県内中小企業への防災・BCP普及啓発に向けた取り組み」
■優秀実践賞:富士産業株式会社「医療・福祉は止められない!食事の提供も止められない!-食の継続に向けたサプライチェーンのBC強化への取り組み-」
■優秀実践賞:有限会社丸重屋「つぶれない会社創り~災害対策だけのBCPじゃ、もったいない~」
■優秀研究賞:野田健太郎「観光産業の現状と課題分析を踏まえた処方箋の提示」
■優秀研究賞:松下哲明「東日本大震災が企業業績に及ぼした長期的な影響」
【防災部門】
■企業防災賞:株式会社フクダ・アンド・パートナーズ「防災リバーシブルビル『仙台長町未来共創センター』」
■企業防災賞:株式会社リクルート「環境変化に即時対応する高速PDCAを軸とした企業防災の取り組み」
【災害対応部門】
■東日本大震災・新型コロナ「災害対応特別賞」:農事組合法人いわき菌床椎茸組合「東日本大震災、新型コロナを乗り越えて『日本一の椎茸工場を目指す』」
■令和元年東日本台風「災害対応特別賞」:渡辺建設株式会社「令和元年台風19号へのBCP対応出動」
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方