先日、すごい防災キャンプに参加して講演してきたので、報告します。

何がすごかったというと、さまざまな方が参加されていたことです。最近、多様性って言われているので、「よくあることなのでは?」と思われるかもしれません。正直なところ、私も、そういう、「よくあるもの」だと勘違いしていました。

写真提供 新座市北部第二地区地域福祉推進協議会(北二福進協)

でも、参加してみたら、衝撃でした。たとえば、医療的ケアが必要な方が、酸素吸入器などの医療機器を車椅子に積んだまま、ニコニコと、ちょっとお散歩に出てきましたというノリで防災キャンプに参加されているのです。

災害現場では、特別なケアが必要な方は避難所に行くことができず、行ったとしてもその場に居づらくなり、危険な家であっても戻ってしまうケースがあることをよくお聞きしていました。

そして、それは練習としての防災キャンプであっても同じで、まず行くことにハードルがあり、行ったとしても慣れない場所で戸惑うなどの問題が起こっていました。それでも、参加された方々が、最初は緊張していたのに、徐々に慣れてくる、そんなイベントには参加したことがありました。でも、今回は、最初からその緊張感を感じなかったのです。「馴染み具合」がすごいと言うか・・

写真提供 新座市北部第二地区地域福祉推進協議会(北二福進協)

また、医療的ケアが必要な方のみのキャンプとか、小学生対象のキャンプとか、対象者を絞った防災キャンプには何度か参加したことがありました。でも、このキャンプでは、当たり前のように、赤ちゃん連れの子育て世代の方がいたり、中学生が、お手伝いしつつもキャンプの楽しさで盛り上がっていたり、小学生も元気に走り回り、大学生の参加者もいる形態でした。そして、高校生の中には、災害看護に興味があるということで遠方から参加してくれた子もいました。

ここに、先ほど紹介した、一般の参加者がいる防災キャンプになかなか参加していただけない特別なケアが必要な方もいて、お客さんではなく、むしろ中心になって活躍されていました。多様な、それぞれの方が、とても楽しそうに主体的に参加されているということが本当に、印象的でした。

キャンプを楽しむ中学生たち=写真提供 新座市北部第二地区地域福祉推進協議会(北二福進協)

行政の危機管理室や消防の方もいらっしゃいました。消防コーナーでは、バールを用いた救出訓練や火を実際に使った消火器的当て訓練なども実施されていたのですが、それも、かなり手慣れた感じで展開されていました。

手慣れてる!=撮影 あんどうりす