不祥事によるブランドの失墜が与える影響は(イメージ:写真AC)

昨年、2023年は、歴史に残るような不祥事が頻発した年となりました。ジャニー喜多川性加害問題、ビッグモーターの自動車保険金不正請求問題、日大アメフト部の大麻事件、ダイハツの検査不正問題、松本人志による性加害への告発などが挙げられます。

今年度の帝京大学の広報論の最後の講義では、23年に起きた不祥事の中でも個人的に気になっていた日大アメフト部大麻事件についてあらためて振り返り、受講生がどのようにこの事件をみていたのか、印象や意見を自由に書いてもらいました。

今回は、どんなふうに帝京大生がとらえていたのか、そして日大ブランドはどうなるのかをまとめてみたいと思います。

日大アメフト部薬物事件の経緯

この問題、2023年7月に報道が出て、以降、年末にかけて断続的に話題となりました。学生が逮捕されて無期限活動停止になったかと思えばすぐ解除されたり、最初は個人の犯罪と大学は位置づけていたのに、2人目、3人目が逮捕されたうえ、対応にあたっていた澤田副学長が林理事長をパワハラで訴えたりするなど、かなり入り組んだ展開となっています。

画像を拡大  ※赤字が大学側の動き
「日大アメフト部廃部の波紋」(NHK解説委員室 2023/12/22)などをもとに筆者作成 https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/490636.html

あらためてみると、最初の自己申告があった時に適切な対応をしていれば、ここまで傷口が広がらなくて済んだのでは、と思います。2018年の危険タックル事件の時もそうでしたが、隠蔽体質が改善されていなかったのが問題だったといえるでしょう。

隠蔽体質が再び露呈(イメージ:写真AC)

それにしても、年末に行われた逮捕された学生の公判で「薬物が入っている缶を澤田副学長が持っていった時に、監督から『澤田副学長に見つかって、よかったな』といわれた」という発言が出たのは驚きでした。その学生は「澤田副学長がもみ消すんだと思い、少し安心した」と受け止めたようですが、教育機関としてあり得ないことです。