2018/08/28
防災・危機管理ニュース

レジリエンスジャパン推進協議会は27日、「提言書~災害時の水の確保~」と題した提言書を小此木八郎・国土強靭化・防災担当大臣に手渡した。同協議会の「水のレジリエンスワーキンググループ(WG)」でとりまとめたもので、「災害時確保水」と称し、地域ごとに災害時に確保すべき水の量の把握と調達手段の用意などを呼びかけたものとなっている。
2月から国連大学上級副学長・東京大学生産技術研究所教授の沖大幹氏を座長としたWGで検討を重ねていた。提言書では災害時の断水を防ぐための水道管耐震化などの取り組みを進めつつ、並行して断水への備えを進めるべきだとした。
自治会やマンション、病院といった施設ごとに、必要な水の量を試算する。飲料水なら1人1日あたり3L、生活用水なら同じく20~30L、さらに施設ごとの用途に必要な水の量と想定される断水日数を基に試算していく。そして必要な水の量と、ペットボトルや貯水槽などの備蓄や給水車など外部支援や井戸水などで確保できる水の量を対比させたバランスシートの作成を呼びかけた。これらを積み上げ、地方自治体単位でバランスシートを作成することで、水の不足量を予測し、不足分の確保や地域防災計画の作成にも生かせるとしている。
同協議会では国に対し、自治体への提言書の周知や必要な助成措置、民間の技術やサービスの活用を呼びかけた。
■ニュースリリースはこちら
http://www.resilience-jp.biz/20180827131514/
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
事業継続マネジメントシステムの国際規格を学ぶ!ISO22301解説セミナー【アーカイブ配信】
2021年4月13日(火)に開催したオンラインセミナーのアーカイブ配信です。
2021/04/16
-
想定外に備えるには想定外を「想定」した訓練が必要だ
社会を支える基幹インフラは災害時でも絶つわけにいきません。高速情報通信網がまさにそうで、これが守られるか否かは人・組織の生き残りをも左右します。が、その役割を誰がどこで担っているかは、あまり知られていないのではないでしょうか。日本最大規模のデータセンターを保有するアット東京の「24時間365日ノーダウンオペレーション」の取り組みを紹介します。
2021/04/15
-
非常時に目標と道筋を示すことが危機管理担当者の役割
非常事態に中心的な役割を求められるのが危機管理担当者だが、求められる能力は何か。また、平時に はどのように備えればよいのだろうか。岩手大学で防災危機管理に係る人材育成に取り組んできた越野 修三・同大学客員教授は、危機管理担当者に求められるのは、非常時に際して「少ない情報から状況判断 して、目標は何なのか道筋を示すこと」だと語る。
2021/04/05