2024/08/17
防災・危機管理ニュース
【シドニー時事】オーストラリア北東部に広がる世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフの水温が過去400年で最も高くなったことが、複数の大学による合同調査で分かった。水温上昇の影響で近年、サンゴの白化が深刻化しており、研究者は「絶滅の危機」にあると警告している。
調査結果はメルボルン大のベンジャミン・ヘンリー講師らが今月、科学誌ネイチャーに発表。サンゴの骨格に刻まれた木の年輪のような成長の跡を解析し、1618年以降の水温変化を調べた。その結果、南半球の夏に当たる今年1~3月の水温が最も高く、1900年以前の平均を1.73度上回った。
水温は化石燃料が多用されるようになった1900年以降、急激に上昇。1960年から2024年にかけて、10年間に平均0.12度ずつ上がった。大規模なサンゴ白化が起きた2016、17、20、22、24各年は突出して高く、水温上昇が白化を招いていることが裏付けられた。
ヘンリー氏らは、仮に気候変動対策に関するパリ協定に沿って気温上昇を産業革命前比1.5度以内に抑えたとしても、「世界中でサンゴの7~9割が失われる恐れがある」と指摘。温室効果ガスの排出削減に向け「迅速で野心的な行動を取らなければ、絶滅を目撃することになる」と警鐘を鳴らした。
〔写真説明〕オーストラリア北東部のサンゴ礁、グレートバリアリーフ=4月5日(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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