2024/08/23
防災・危機管理ニュース
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は23日、県職員アンケートの中間報告を公表した。「視察先でエレベーターに乗り損ねたことに激怒して、県職員に大声で怒鳴りつけた」など複数の新たな疑惑が指摘された。また同日、百条委は県職員への証人尋問を非公開で初めて実施した。
アンケートは、職員約9700人を対象に行い、14日に締め切った。今回は5日までに寄せられた4586件の回答を集計。パワハラを「目撃(経験)などで実際に知っている」との回答は59件あり、「人づてに聞いた」などを合わせると計1750件で、回答の約4割を占めた。物品提供を求める「おねだり」疑惑に関しては約2割だった。
回答では、エレベーターでの叱責のほか、「随行職員が用意されたカニの受け取りを断ったのを聞いて、私がもらうと言ってその分も持ち帰った」などの記述があった。その一方、「高価でない特産品、手土産であれば、知事以外も含め、社会通念上の範囲で受け取っている事例は多くあると思われる」といった意見も見られた。
23日の証人尋問は、斎藤氏のパワハラ疑惑に絞って県職員6人を対象に非公開で行われた。証人保護の観点から、氏名や出頭を求めた理由は明らかにしなかった。斎藤氏に対する証人尋問は30日に予定している。百条委終了後に記者会見した奥谷謙一委員長は「知事は、注意はするが業務上必要な範囲だと発言している。どのあたりが業務上必要な注意だったかしっかり確認したい」と語った。
斎藤氏は23日午後、パワハラを見聞きしたとの回答が約4割に上ったことについて、「大変残念な思いだ。重く受け止めなければならない」と県庁で記者団に語った。記述内容に関しては「伝聞に基づくものも多く含まれている」と指摘し、「今後の調査で(真偽を)明らかにすべきものだ」と強調した。 (了)

(ニュース提供:時事通信 2024/08/23-21:03)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方