2024/09/27
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】イスラエル政府は26日、日米などによるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの一時停戦案を拒否し、戦闘を強化する構えを堅持した。イスラエル国内では、外交的解決に疑義を呈し、ヒズボラによる対イスラエル越境攻撃の拠点となっているレバノン南部に「緩衝地帯」をつくる必要があるという強硬論が高まっている。
一時停戦を巡っては、ネタニヤフ首相が「ゴーサイン」を出したという一部報道もあったが、首相府は「正確ではない。首相は軍に全力で戦闘を続けるよう指示した」と否定。この直後、カッツ外相がX(旧ツイッター)で「停戦はない」と明言した。極右政党党首のスモトリッチ財務相も「深刻な打撃から立ち直る時間を敵(ヒズボラ)に与えてはならない」と主張した。
一時停戦案は、期間中に当事者が全面的な停戦に向けた交渉を進める内容。しかし、シンクタンク、エルサレム安全保障外交センターの上級アナリスト、ヨニ・ベンメナヘム氏はカッツ氏の拒否表明に先立ち、取材に「外交的解決では問題を解消できない」と強調していた。
ベンメナヘム氏はその上で、避難を余儀なくされたイスラエル北部の住民の帰還を保証できないなら、イスラエル軍がレバノン南部に侵攻し緩衝地帯を設置する必要があると訴えた。ヒズボラの対戦車ミサイルの射程距離を超える幅10キロを想定し、戦闘員のイスラエル侵入を防ぐため、軍部隊を駐留させるべきだとの認識も示した。
イスラエル軍も緩衝地帯の設置を構想していると報じられている。地元メディアの世論調査では、90%以上が一時停戦に反対しており、軍の方針を支持する声は根強い。
〔写真説明〕25日、エルサレム郊外で取材に応じるエルサレム安全保障外交センターの上級アナリスト、ヨニ・ベンメナヘム氏
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
なぜコンプライアンスの方向性はズレてしまったのか?
企業の不正・不祥事が発覚するたび「コンプライアンスが機能していない」といわれますが、コンプライアンス自体が弱まっているわけではなく、むしろ「うっとうしい」「窮屈だ」と、その圧力は強まっているようです。このギャップはなぜなのか。ネットコミュニケーションなどから現代社会の問題を研究する成蹊大学文学部の伊藤昌亮教授とともに考えました。
2024/10/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/10/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/10/05
-
-
-
-
-
ERMにおける実行性の強化
企業は、リスクに対する組織の適切な行動を管理するためにオペレーショナルリスクとコンダクトリスクといったリスクカテゴリーを設定し管理を実施していることが多い。オペレーショナルリスク管理は、過去の操業上の失敗事例を分析して同種の事例の再発を予防するための管理である。換言すれば、過去・現在の状況を踏まえ、それを将来に延長して対応するフォワードルッキングなアプローチの一種といえる。他方、コンダクトリスク管理は、将来の環境が必ずしも過去と同様ではないことも踏まえ、組織行動の特徴を理解した上で、組織行動を律する根底の部分(組織文化と表現することもある)を意識して、不測の事態を招かないための制御を行う活動といえる。
2024/09/25
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方