2024/10/07
防災・危機管理ニュース
北極海経由で日本と欧州をつなぐ光海底ケーブルの敷設計画では、日本側の陸揚げ局を北海道・苫小牧港に置く案が浮上している。苫小牧市にはソフトバンクが国内最大級のデータセンターを建設予定で、地元関係者らは陸揚げ局もできれば「関連産業が集積し、経済が活性化する」と心待ちにしている。
苫小牧市は札幌市から車で約1時間。製紙工場の大きな煙突から白煙が上がり、港周辺には工場やコンテナが立ち並ぶ。
ソフトバンクのデータセンター開業は2026年を予定。データ保管に重要なデータセンターとケーブル陸揚げ局はセットで整備されることが多く、木村淳副市長は両施設がそろえば「海外とリアルタイムでデータをやりとりできるという利点も加わる」と期待を示した。
港湾関係者も「企業が集まることで、港の振興につながれば歓迎」と話す。市民からは「市に何がもたらされるのか分からない」という本音も聞かれるが、市の担当者は「企業や人材が集まり、経済発展につながることを発信したい」と力を込めた。
データセンターや陸揚げ局は現在、関東地方に集中している。災害時のリスク分散などの観点から、国はこうしたデジタルインフラの地方分散を目指しており、道産業振興課の担当者は「冷涼な気候や再生可能エネルギーのポテンシャルを持つ道の優位性を示し、経済活性化につなげたい」と話した。
〔写真説明〕北極海経由の光海底ケーブルの陸揚げ局候補地である北海道・苫小牧港=8月27日、苫小牧市
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 光ケーブル
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方