北海道せたな町で最大23m

国交省や有識者らで構成する「日本海における大規模地震に関する調査検討会」(座長/阿部勝征(あべ・かつゆき)東京大学名誉教授)は26日、国として初めて日本海側に面した市町村ごとに予想される津波高の最大値を発表した。最も大きかったのは、北海道南西に位置し、奥尻島にも近い久遠郡せたな町の23.4m。北海道では14市町村で予想最大津波高10m以上となった。日本海は津波の発生を伴う地震減の分布に偏りがあるほか、これまで地震の発生は記録に残っていないが、その可能性を指摘される海域もあり、今後の地震発生について十分な検証ができていなかった。

検討会は、過去の地震・津波に関する痕跡結果に最新の科学的知見を加え、日本海側の地震や津波の発生要因となる60の海底断層を特定。50mメッシュで津波高を割り出した。

概略としては、全海岸線での津波の高さは北海道や東北の1部で15m以上があるものの、居住地の多い平地の沿岸での津波高は、日本海沿岸東部(北海道から福井)で高いところで概ね5m~12m。日本海沿岸西部(京都から九州北部)では高いところで概ね3m~4m。日本海で発生する津波の特徴としては、1)断層が浅く、高角であるため地震の規模に比べて津波が高い、2)断層が陸地に近いため津波到達までの時間が短い、3)日本海の海底地形の影響で、東北沖の津波が中国地方で高くなる場合がある-があげられるという。

検討結果を受け、2011年12月に施行された「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、各都道府県は津波浸水想定を設定。市町村は避難体制を強化する。

最大津波高15m以上の市町村は以下。

北海道 礼文町 17.6m
北海道 神恵内町 20.3m
北海道 蘭越町 15.9m
北海道 寿都町 16.5m
北海道 島牧町 19.1m
北海道 せたな町 23.4m
北海道 奥尻町 18.8m
青森県 中泊町 17.3m
青森県 深浦町 17.4m
石川県 珠洲市 15.8m

写真を拡大(図)日本海側の60の活断層分布図

第8回 日本海における大規模地震に関する調査検討会 配布資料一覧
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/daikibojishinchousa/dai08kai/index.html