2024/11/09
防災・危機管理ニュース
鹿児島県の奄美地方と沖縄県の沖縄本島北部では8日夜から9日明け方にかけ、暖かく湿った空気が流れ込んで大雨となった。気象庁は鹿児島県与論町(与論島)に出していた大雨特別警報を午後2時に大雨警報に切り替えたが、引き続き土砂災害や低地の浸水、河川の増水に厳重な警戒が必要という。沖縄県大宜味村の一部には一時、5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が発令された。
鹿児島県によると、正午時点で人的被害の情報はなく、与論町で床上浸水15棟、床下浸水8棟、崖崩れ1カ所が確認されている。
奄美地方と沖縄本島北部では発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生し、1時間雨量が110~120ミリとの記録的短時間大雨情報が相次いで出された。与論町では9日午前8時20分までの24時間雨量が594.0ミリ、沖縄県の東村でも午後2時20分までの同雨量が483.0ミリと、いずれの地点も観測史上最多となった。
日本列島が高気圧に覆われる一方、フィリピンの東海上に低気圧、西海上に台風22号があり、奄美地方や沖縄本島北部には東や南東から暖かく湿った空気が流れ込んだ。
気象庁の杉本悟史予報課長は記者会見で、「11月に大雨特別警報を発表するのは初めてだが、南西諸島ではこの季節でも暖かく湿った空気が海上にある」と説明した。海面水温が平年より高いことも影響したと推測できるという。
〔写真説明〕大雨により発生した県道での崖崩れ=9日午前、鹿児島県与論町(同県提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
-
三協立山が挑む 競争力を固守するためのBCP
2024年元日に発生した能登半島地震で被災した三協立山株式会社。同社は富山県内に多数の生産拠点を集中させる一方、販売網は全国に広がっており、製品の供給遅れは取引先との信頼関係に影響しかねない構造にあった。震災の経験を通じて、同社では、復旧のスピードと、技術者の必要性を認識。現在、被災時の目標復旧時間の目安を1カ月と設定するとともに、取引先が被災しても、即座に必要な技術者を派遣できる体制づくりを進めている。
2025/08/11
-
アイシン軽金属が能登半島地震で得た教訓と、グループ全体への実装プロセス
2024年1月1日に発生した能登半島地震で、震度5強の揺れに見舞われた自動車用アルミ部品メーカー・アイシン軽金属(富山県射水市)。同社は、大手自動車部品メーカーである「アイシングループ」の一員として、これまでグループ全体で培ってきた震災経験と教訓を災害対策に生かし、防災・事業継続の両面で体制強化を進めてきた。能登半島地震の被災を経て、現在、同社はどのような新たな取り組みを展開しているのか――。
2025/08/11
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方