2024/12/16
防災・危機管理ニュース
建物の増改築や解体、道路などの工事の際にガス管を損傷する事故が後を絶たない。事前に配管の位置を確認しないなど、工事業者の不注意が原因のことも多く、専門家は「安全に対する意識を高めることが重要だ」と注意喚起している。
経済産業省によると、今回の事故のように、内装工事などで誤って都市ガスのガス管を損傷した事故は2023年に46件あった。このうち6割超は、工事業者が事前に配管の有無や配置をガス事業者に確認していなかった。
今回の事故を起こした工事業者も配管図を取り寄せておらず、事前に床下の配管構造を把握していなかったとみられる。
東京理科大の桑名一徳教授は、都市ガスの主成分メタンは空気より軽く、通常は上昇しながら拡散すると指摘。しかし、今回は「頑丈な床に遮られたガスが、天井板の隙間などから時間をかけて2階部分に広がったのではないか」と推測する。
メタンは空気中の濃度が約5%に達した状態で、火が付くと爆発する恐れがある。
桑名教授はガス事故について、どれほど注意を払っても「想定外のことは起こり得る」とし、ガス漏れを検知する機器の設置などに加え、「ガスは爆発する危険性があると意識することが大事だ」と警鐘を鳴らしている。
〔写真説明〕2023年7月3日、東京・新橋のビル爆発現場に立つ警察官(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- ガス爆発
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方