2025/01/16
防災・危機管理ニュース
6434人の命が奪われた1995年の阪神大震災から17日で30年。高速道路が倒れ、家屋が燃えたあの日の惨状が想像できないほど街は復興を遂げた。しかし、東日本大震災、能登半島地震など、その後も列島各地で大規模な災害が相次ぐ。震災を知らない世代が親になり、記憶や教訓をどう引き継ぎ、生かしていくかが課題となる。
17日は各地で避難訓練や追悼行事が予定されている。兵庫県などが主催する追悼式典には、即位後初めて天皇、皇后両陛下が出席し、天皇陛下がお言葉を述べられる。ただ、神戸市の市民団体の調査によると、県内の追悼行事は10年前から半減した。担い手の高齢化や財源不足が理由で、継承に向けた課題の一端が浮かぶ。
火災で壊滅的な被害が出た神戸市長田区では昨年、大規模再開発事業が当初予定より20年遅れて完了した。しかし、商店街に当時の活気は戻らず、シャッターが下りたままの店も目立つ。にぎわいをどう取り戻すか、模索が続く。
震災後は全国から多くの人が支援に駆け付け、95年は「ボランティア元年」と呼ばれた。その後も相次いだ災害によりボランティアは社会に浸透したが、能登半島地震では自治体への事前登録など、行政による「管理」の問題点が専門家から指摘された。行政とは異なる支援の在り方が改めて問われている。
首都直下地震や南海トラフ地震など、いつ発生してもおかしくない次の大災害にどう備えるのか。残された課題と向き合いながら、犠牲者に祈りをささげる一日となる。
〔写真説明〕阪神大震災の追悼の集いで、ろうそくに火をともす親子=16日午後、兵庫県伊丹市の昆陽池公園
〔写真説明〕阪神大震災の追悼の集いで並べられた、犠牲者数と同じ6434本のろうそく=16日午後、兵庫県伊丹市の昆陽池公園
(ニュース提供元:時事通信社)


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