2025/01/24
防災・危機管理ニュース
中居正広さんの女性トラブルは発覚から1カ月余りで、社員の関与が疑われたフジテレビグループ全体の経営問題に発展した。独立性があいまいな調査委員会の設置や出席者を限定した記者会見に批判が集まり、番組スポンサーの間でCM差し止めの動きが加速。大株主の米ファンドにも圧力をかけられ、結局は第三者委員会の設置とオープンな会見の開催に追い込まれた。
フジの港浩一社長は17日の記者会見で「第三者の弁護士中心の調査委を立ち上げる」と表明し、徹底調査を約束した。しかし、日本弁護士連合会のガイドラインに沿った第三者委員会ではなく、独立性に欠けるとの疑念が広がった。会見に特定の報道機関の記者しか出席させなかったことも、SNS上で「炎上」を招いた。
スポンサーの対応は素早く、トヨタ自動車などが会見直後からCMの差し止めに動いた。フジの報道によると、その数は20日時点で75社に上り、その後も拡大は止まらない。
広告料の返金がない既存契約だけでなく、新規契約を含めて「来月以降もグループ全社で見合わせる」(NTT)との動きも広がり始め、親会社フジ・メディア・ホールディングスは23日、「広告出稿の減少などによる業績への影響が見込まれる」と認めざるを得なかった。
6月には親会社の株主総会が待ち受ける。株式の7%以上を保有する米ファンドのダルトン・インベストメンツは「コーポレートガバナンス(企業統治)に深刻な欠陥がある」と批判。調査の結果次第で取締役選任案に反対する可能性をちらつかせる。
経営陣にとって、株主の支持は盤石ではない。2023年の前々回総会で金光修社長への賛成率は約58%と、選任に必要な過半数の確保が危ぶまれる状況だった。ダルトンは昨年5月の書簡で、フジ親会社の日枝久相談役が取締役を40年以上も務めている点を問題視し、取締役会の構成について「このままでは許されない」と異議を唱えた。
〔写真説明〕取材に応じるフジ・メディア・ホールディングスの金光修社長=23日午後、東京都港区
〔写真説明〕フジ・メディア・ホールディングス(HD)の本社=23日午後、東京都港区
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/09
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方