2025/02/08
防災・危機管理ニュース
米農務省森林局やデューク大などの研究チームは8日までに、2020年まで20年間の地球観測衛星データを解析したところ、世界の森林や草原、農地などの植生は20年に最も増大していたと発表した。草木が生えている面積や量は寒帯や温帯を中心に増えており、温暖化で草木が成長できる期間が延びたほか、インドや中国の一部などで植林が進んだことが主因だという。
熱帯ではラニーニャ現象などで一時期、降水量が増えた影響もあった。
20年は新型コロナウイルスの世界的流行が本格化し、多くの工場や交通機関などが止まって大気汚染が改善した。このため植物に太陽光がよく届いて成長が促されたとの見方もあったが、その影響は限定的だった。
日本の気象庁によると、20年の世界年間平均気温は1891年から昨年までの統計で過去4番目に高かった。大気中の二酸化炭素(CO2)の世界平均濃度は上昇し続け、過去最高を毎年更新している。
温暖化で冬が短くなり、光合成に必要なCO2の濃度が上がることは植物の成長にとってプラスだが、研究チームは今後、猛暑や干ばつ、森林火災の多発により阻害される懸念があると指摘している。論文は国際科学誌「リモートセンシング・オブ・エンバイロメント」に掲載された。
(ニュース提供元:時事通信社)
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