2015/02/10
防災・危機管理ニュース
国交省は2月9日、災害時の行動指針『東日本大震災の実体験に基づく災害初動期指揮心得』の日本語版と英語版をKindleストアで公開した。Kindle本(電子書籍)として無料でダウンロードできる。
同書は、国土交通省東北地方整備局が東日本大震災で過酷な災害対応を行った実体験に基づき、首都直下や東海・東南海・南海地震の発生が切迫する中、地方整備局の各クラスの指揮官の行動規範となる具体的な指針を整理した内部資料で、次のような意図をもってまとめられている。
1.東日本大震災を実体験した者にしかわからない「経験知」を、関係者共通のものとすること。
2.防災計画に沿った復旧・復興が軌道に乗るまでの、シナリオのない、最もシビアな決断を迫られる最初の1週間を乗り切るための指針となること。
3.想定される首都直下や東海・東南海・南海地震などの大規模災害に対して、地方整備局の各クラスの指揮官が心得ておくべき指針としてとりまとめること。
6章で構成され、救援ルートの確認や地域支援の準備から、東日本大震災で問題視された原子力発電所事故対応、自衛隊との連携といったものまで多岐にわたりその対応指針が記されている。
数々の危機管理に共通する心得、当時の実体験が示されていることから、国内・海外の危機管理に詳しい有識者からも高い評価が寄せられた。今回、共通する心得や当時の実体験が示された内容から、国土交通省の外へも一部提供することになった。
JICA((独)国際協力機構)により英語版も作成され、危機管理の研修教材として広く使用されている。
【Amazon.co.jpの配信URL】
http://www.amazon.co.jp/dp/B00S8UXG9G(日本語版)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00S8UXFU6(英語版)
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