JR東海は24日までに、宮崎県沖の日向灘を震源とする地震を受けた南海トラフ地震の「臨時情報」が発表された場合、東海道新幹線の減速を行わない方針を決めた。昨年初めて臨時情報が出された際は震度7が想定される一部区間で減速したが、対応を見直した。
 昨年8月8日、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、同15日まで臨時情報(巨大地震注意)が出された。東海道新幹線は三島(静岡県三島市)―三河安城(愛知県安城市)間で、通常の最高時速285キロを230キロに減速して運転。10分程度の遅れが出た。
 社内で検討した結果、過去に日向灘で起きた大地震では、後発地震が東側で起きた例がないことなどから、今後は運行規制を行わない基本方針を決定。別の震源で臨時情報が出された場合の対応は検討中という。
 JR東海は「できる限り移動の機会を提供するという鉄道事業者としての社会的使命を果たす」としている。 
〔写真説明〕東京駅に入線する東海道新幹線の車両(資料写真)

(ニュース提供元:時事通信社)