【ワシントン、バンコク時事】訪英中のトランプ米大統領は26日、タイとカンボジアの武力衝突に関し、両国が停戦協議を開始することで合意したと明らかにした。トランプ氏はSNSで「直ちに会談を行い、迅速に停戦合意をまとめ、最終的に和平を実現することで合意した」と説明した。両国首脳は28日にもマレーシアで協議する見通し。ただ、27日も国境地域での武力衝突が発生しており、事態沈静化に向けては曲折も予想される。
 トランプ氏はタイのプームタム首相代行、カンボジアのフン・マネット首相とそれぞれ電話会談し、「戦争が続く限り、どちらの国とも貿易取引を行わない」と通告。両国とそれぞれ進めている関税交渉を取り上げ、「戦闘を停止するまで、交渉は不適切だと考えている」と迫ったという。
 マレーシアの国営ベルナマ通信によると、同国のモハマド外相は「フン・マネット氏とプームタム氏は、紛争の解決策について協議するため28日午後にマレーシアに来る予定だ」と述べた。マレーシアはタイとカンボジアが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国で、仲介努力を続けている。
 フン・マネット氏はSNSに「即時停戦と平和を見つけるための調停をしてくれたトランプ氏に感謝する」と投稿。「停戦提案に合意したタイ側が立場を転換させないことを願う」とくぎを刺した。
 プームタム氏もSNSで「カンボジア側の真意を見たい」と指摘。停戦に向けた手順や紛争の最終的な解決は2国間対話で実現させる意向を強調した。 
〔写真説明〕25日、カンボジア国境に近いタイ東北部シーサケート県で、トラックに乗って移動するタイ軍兵士(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)