2025/09/20
防災・危機管理ニュース
環境省は、高齢者が自宅など室内で熱中症になるのを防ぐため、対策強化に乗り出す。「暑さ指数」の値を確認し、熱中症の危険性が高い場合は地域の民生委員らがエアコンの使用を呼び掛ける。熱中症予防に役立つエアコンの技術開発も支援する。2026年度予算概算要求に関連経費10億円を計上した。
高齢者は、体温調整や発汗の機能が低下することから熱中症にかかるリスクが高いとされる。エアコンの風に当たるのが苦手で、暑い日でもあまり使いたがらない高齢者もいる。総務省消防庁によると、24年5~9月に熱中症で救急搬送された人の57.4%が65歳以上の高齢者で、発生場所は住居が最も多く、38.0%だった。
そこで環境省は、高齢者の予防意識を高めるため、見守りや呼び掛けを推進するモデル事業を始める。気温や湿度から算定する「暑さ指数」の測定器を高齢者に配布し、自宅に設置してもらう。民生委員や自治体職員らが訪問時に値を確認しエアコンの使用を促すことなどを想定している。
メーカーの技術開発も支援する。暑さによる健康被害が懸念される場合に注意を促す「熱中症警戒アラート」が発令された際、人工知能(AI)などを用いて高齢者宅のエアコンを自動で起動させる技術などを普及させ、発症や死亡のリスクを減らす。
政府は、22年までの5年間の平均で約1300人だった熱中症による死者数を30年までに半減させる目標を掲げるが、24年は2000人超で過去最多を更新した。
〔写真説明〕高齢者が室内で熱中症になるのを防ぐための対策が求められている(イメージ)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 熱中症対策
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
カムチャツカ半島地震 津波対応振り返り【企業】
7月30日、ロシア・カムチャツカ半島付近の地震による津波が日本列島に到達。広い範囲で津波警報が発表されました。突然の警報に戸惑った企業も多いのではないでしょうか。南海トラフ地震では、短時間でより大きな津波が襲います。教訓として残ったものは何か。企業の振り返りと専門家へのインタビューを通じ、津波対策の課題と改善点を探ります。
2025/09/19
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方