【ロンドン時事】スターマー英首相は21日、パレスチナを国家承認したと発表した。カナダのカーニー首相も同日承認を発表。承認は先進7カ国(G7)で初めてで、パレスチナ自治区ガザでの人道危機悪化を受け、軍事攻撃を続けるイスラエルに圧力を強める狙いがある。フランスなども国連総会に合わせて22日に同様の発表を行う見込み。オーストラリアのアルバニージー首相も21日、X(旧ツイッター)で承認したと表明した。
 一方、イスラエルの後ろ盾となっている米国は反対しており、承認の動きが対米関係に影を落とす可能性もある。イスラエル外務省はXで「(イスラム組織)ハマスへの報いだ」と反発した。
 スターマー氏は動画で声明を読み上げ、「中東で繰り広げられる恐ろしい出来事に直面し、われわれは平和への可能性と2国家解決を生かし続けるために行動する」と表明。カーニー氏は「(承認は)平和的共存を求める人々に力を与える」と指摘し、「テロの正当化ではない」と訴えた。パレスチナ自治政府のアッバス議長は声明で「公正で永続的な平和実現に向けた重要かつ必要な一歩だ」と評価した。 
〔写真説明〕スターマー英首相=18日、ロンドン郊外(AFP時事)
〔写真説明〕カナダのカーニー首相=18日、メキシコ市(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)